キットの箱ではType93と表記されていますが、スミダ九三式6輪自動貨車との混同のようで、国内版のキットには訂正の文章が付属するようです。レジン製AFVキットを作るのは始めてなんですが、箱を開けてパーツと説明書を見た時はやっぱこんなんなんだな、と。まぁ説明書のそっけなさはイースタンエクスプレスなんかもそうでしたが、車体、シャーシ後端の湯口はどこまで削って良いものやら、とか作り慣れ無いので戸惑う点もありました。それ以外は一見、どこに付けていいか分からないパーツもよくよく見ていくとダボがあったり、ピッタリはまったりするのでじっくり整形して位置決めをしっかりすれば大丈夫かな、と思います。

製作にマスターモデラーズ誌Vol.14にEagleCZ製1/35キットの作例が掲載されていて、私はその号を持っていなかったのですが"あーるの趣味のページ。"のあ〜るさんに送って頂けたのでそれを参考にしました。あとはWebで見付けた写真数枚と"Jadar-Model"のWebサイトの作例を見ながらなので、省略されているリベットを雰囲気で追加する程度でとにかくきちんと作ることを心掛けました。

車体はフェンダーの間にもゲートがあり、後部のも含めて鋸等で作業する時はレジン粉を吸わないようにマスクをした方が良いようです。私は鋸で切り始めたものの面倒臭くなったのでニッパーで切ってたらフェンダーを2箇所ほど折ってしまい、エポキシ系接着剤で接着。車体後端のゲートはおとなしく鋸で処理しました。それ以外のゲートはニッパーで大丈夫でした。面倒だったのは銃塔でなるべくギリギリまで鋸で処理してから金ヤスリで削っていたのですが、刺し込み式にしようと思ってドリルで彫り込み、足りない直径をさらに彫刻等で彫り込んでいたらまたもフェンダーを折ってしまいました。車体には原型製作時のやすり掛けの跡が残ってたりするので全体に溶きパテを塗ってサンディングしています。それ以外は気泡などは殆どないですし、一体成型の把手も抜けていて良い感じだと思います。

足周りは細かく分割されていて、そのままだと強度的な不安があります。"ミニ装輪魂"の掲示板でレジン製キットは夏に車軸が曲がることがあるので足周りの補強をしておいた方が良いと助言を頂き、車軸をプラ棒に交換する方法があると教えて頂いたのですが、結局は要所にドリルで開口して0.5mm真鍮線を車体との間に差して、車軸とタイヤにL字型に曲げた真鍮線をエポキシ系で接着してお茶を濁してしまいました。

車輪の接着は後ろ4輪はシャーペンの芯ケースと0.3mmプラ板を、前輪は幅の合う木片と隙間調整に0.5mmプラ板をそれぞれ内側に挟んで、外側からノギスで押さえてある程度の垂直を出しました。水平方向に関しては地面を作るって事で逃げてしまいました。一応、後ろ4輪を取り付けるリーフスプリングは定規で前後左右の高さを合わせたらちゃんと接地しましたので丁寧に組めば全輪接地させるのは簡単なのかもしれませんね。先に車軸にタイヤを垂直方向の精度を出して接着しておいて、車軸を車体に接着する時に治具なりで水平方向の精度を出すというのも考えたのですが、足周りの補強と前輪リーフスプリングパーツの一部欠損があったのでこのような方法を採りました。

車体全体にあるリベットは前述の雑誌作例を参考に伸ばしランナーを瞬間接着剤で接着して再現しました。実車写真と雑誌作例を見るとどうもリベットの数が違うような気がします。どっちがどうって言えるほどの資料や写真を持っている訳でもないので何とも言えないのですけども。見付けた写真は全て後期型車体だったので細部は気にせず雰囲気で接着しましたが、どうも数が多すぎな部分があるようです。車体の四隅に付くジャッキは説明書を見ると上部の円筒部を切り取るようになっていますが、実車の写真を見ても、箱やサイトの完成写真を見ても上部のゲート部分だけを切り取った形のようなのでそのように。

塗装はどうもマンネリを感じていたので見慣れない色に塗ろうと思ったのですが、どうも色を混ぜていると見慣れた色になってしまいます。手順としてはまず、フラットブラウン+フラットブラックで下周りを塗り残しが無いように塗装。ついでに車体上部の筋彫り部やエッジ部等も陰になる部分を塗り残しが無いようにしながら塗装。基本色はフラットフレッシュ、緑は濃緑色、茶色はフラットブラウンとハルレッドを中心に混色しましたが、どうもいつもの見慣れた色になってしまいました。